人に相談できない性病の話

人に相談できない性病の話

性病には様々な原因と症状があります。
淋菌、クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒は感染症法で5類に分類されております。

●梅毒
梅毒は全例報告、それ以外は指定された医療機関が報告することになっています。
そのため、最近の感染状況を把握することができます。梅毒はこの数年間で急激に増加しております。

当院では専門医による検査と診察から始めます。
梅毒は疑って血液検査を行わないと診断がつきません。泌尿器科や皮膚科専門医以外では梅毒初期の皮膚の異常に気づかないこともあります。
陰部のしこりや皮膚の湿疹(バラ疹)が出てきた場合は専門医への受診が必要です。

●クラミジアと淋菌
クラミジアと淋菌は20歳代前半にピークがあります。クラミジアと淋菌は無症状であります。
そのため、パートナーが感染していた事から、クリニックを受診し感染が判明することもあります。
性感染症は膣内性交だけではなく、フェラチオやクンニリングスといったオーラルセックスでも感染します。尿道や膣内などの生殖器だけではなく咽頭に感染している場合もあります。
私の臨床経験では、風俗店での感染よりも、パートナーやセックスフレンドとのフェラチオやクンニリングスから感染している患者さんが最近では多い印象があります。

●不安な場合はどうしたら良いの?
性感染症を放置した場合、男女とも将来不妊症の原因にもなりますので、疑わしい場合は泌尿器科もしくは婦人科受診をお勧めします。

※参考文献

夜間頻尿ガイドライン「第2版」
2021 後期研修医がおさえておきたい泌尿器疾患TOP30
ED診療ガイドライン
PDハンドブック

解説した医師
南里正之

南里正之

役職: 院長
専門分野: 腎泌尿器科
経歴:
佐賀医科大学卒業、医学博士
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター、佐賀大学医学部泌尿器科、南里泌尿器科医院での勤務後、2021年9月より医療法人社団自靖会へ。現在は井口腎泌尿器科内科・親水の院長として、外来や治療の傍ら、当ブログを執筆中。